会長挨拶
この度、第49回日本小児消化管機能研究会を2019(平成31)年2月16 日(土)大阪国際がんセンター1 階 大講堂におきまして開催させていただきます。
小児外科の先生方の熱い探求心から開催されてきている伝統ある本研究会に小児科医として仲間に入れていただき、今回会を主宰させていただくことを大変光栄に思っています。
今回は主題をトランジッション(移行期医療)としました。医療の進歩に伴い小児期発症の慢性疾患の予後が改善し、成人期に達する患者が増えてきており、医療的にも心理社会的にもよりよい生涯管理が求められます。移行期医療は小児期医療と成人期医療の間で、思春期を含む自立過程の中での医療であり、患者本人が自分の病気や今まで行われた手術の説明を聞き、理解し、保護者から自立して社会に出ていく準備の時期の医療です。日本小児消化管機能研究会の主題の1 つである慢性偽性腸閉塞症も移行期医療の対象疾患です。そこで今回は特別講演に中島淳教授をお招きしました。この疾患を理解し、本邦で一番多く治療されている数少ない成人診療科の先生です。成人期の管理を学び移行期医療を考えるよい機会になると思います。
またランチョン教育講演は植松智教授をお招きして腸内微生物叢研究の最前線とともに消化管機能異常との関係もお話しいただきます。
要望演題は移行期医療と消化管機能異常から見た重症心身障害児者の管理としました。難しいテーマですが多くの演題をいただきありがとうございました。この2 つの話題を中心に、皆様と熱い討論ができますようプログラムを組みました。全体として小児内科的な構成になっていますが、本研究会の発展に少しでも寄与できればと願っています。大阪でお目にかかれることを楽しみにしています。
平成31年1月
第49回 日本小児消化管機能研究会
会 長 位田 忍
大阪母子医療センター 副院長 / 消化器・内分泌科